イスラエルとパレスチナ戦争の背景と原因ー№03

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イスラエルとパレスチナの戦争、
その背景と原因を読み解く―03

イスラエルとパレスチナの戦争が何故、終わらないのか、終わらせるには何が必要なのか。
 この戦争が前述の通り、国と国、宗教と宗教、民族と民族との歴史的、文化的、政治的、戦略的要因が複雑に辛い合った結果の戦争であろうかと思っている。それだけに、なおさら、きれいな形(合意)での戦争の終結は非常に難しいのでは、と思っている。何故なら、これら異文化の理解を妨げるのは固定観念や先入観に捕らわれる宗教の影響が非常に大きく作用するものと思う。何故なら、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は旧約聖書を共有する一神教ではあるが、夫々が異なった世界観、普遍的とする価値観を持っているからである。過去にはキリスト教十字軍によるムスリム弾圧など異教徒間での残虐極まる血みどろの戦いを繰り広げた歴史もある。対立の多くは相手に対する固定観念や先入観が影響を与えた。その良い例が旧約聖書に出てくる報復的正義を象徴する「目には目を、歯には歯を」という報復の正当化理論や相手との優劣を固定化する選民思想である。今回のイスラエル軍によるガザでの無差別攻撃も、選民意識の強いユダヤ人は、パレスチナ人を人間以下の動物と思っており、無差別殺戮にも良心は痛まない、と言う指摘もある。つまり、乱暴な言い方をすれば、この世にキリスト教が存在する限り、報復と報復の連鎖は止まる事を知らない、と言っても過言ではないのでしょうか、場合によっては人類の存亡を掛けた徹底的な抗戦になってしまう可能性も非常に高いのかもしれません。特に今のユダヤ教の価値観を前面に打ち出すネタニヤフ氏と、米国のプロテスタント福音派支持者が多く支援するトランプ大統領、特に、このトランプ大統領のイスラエルとパレスチナ戦争に対する対応の具体的な方法等はマスコミからの情報だけでは殆ど憶測する事もかないませんが、恐らくトランプ氏も、従前からの様々な対応からして、非常に好戦的でありキリスト教の『目には目を』や『左手に聖書、右手に剣』と言う言葉を実践していくのでは、と思えてなりません。
※『左手に聖書、右手に剣』の言葉はキリスト教を信じなさい、信じなければ殺します、と言っているのです。つまり、キリスト教は必ずしも平和主義ではない事を表しており歴史的にも十字軍の遠征や近代ではベトナム戦争やイラク戦争の様に異教徒を大量殺戮しても、それが正義である、と平然としているのである。
 以上の様に、様々な宗教絡みで観て観ると、この戦争を終わりにする為には
先ず、時の権力者である当時者、例えばイスラエルのネタニヤフ氏やロシアのプーチン氏、場合によってはトランプ氏等も、キリスト教旧約聖書による報復的正義でもって冗談抜きで抹消する事が戦争終結の大きなきっかけになるのかもしれません。勿論、私は、以上の様な報復的正義等は本来の意味の正義などでは絶対ないと断じたい。

1.宗教的基盤とキリスト教シオニズム
アメリカ人がイスラエルを支持する最も強固で永続的な要因の1つは「聖地へのユダヤ人の帰還は聖書における預言の成就である」という宗教的信念である。これは特に、米国人有権者の凡そ4分の1を占めると言うキリスト教福音派について言える事であり、極めて単純化して言えば、福音派とは「聖書の言葉を絶対的な真理と受け止め、その一字一句をそのまま信じる人々」であり、新約聖書の「ヨハネの黙示録」や旧約聖書の預言書(特にイザヤ書やエゼキエル書)を文字通り解釈し、終末の時期においてイスラエル国家が重要な役割を果たすと信じている。彼らの終末論によれば、イエスは終末に至る最後の千年間世界を支配するために再臨するとされるが、その前にユダヤ人がイスラエルに国家を再建設する事が不可欠であり、それは聖書のなかで示された預言の成就に他ならないと言う。            ビリー・グラハム(1918〜2018)、ジェリー・ファルウェル(1933〜2007)、ジョン・ヘイギー(1940〜)といった米国の著名な福音派指導者たちは、この宗教的な物語を普及する上で重要な役割を果たしてきた。例えば、クリスチャンズ・ユナイテッド・フォー・イスラエル(CUFI)の創設者であるヘイギーは、「私はあなたと後の子孫とにあなたの宿っているこの地、すなわちカナンの全地を永久の所有として与える。そして私は彼らの神となるであろう」という約束が書かれた創世記(17: 8)を引用し、米国の対イスラエル外交政策は神の計画の一部であると明言したのである。又、ヘイギーは聖書を「神の外交政策」と表現しているが、これは、米国はイスラエルを無条件に支援すべきであり、そうすることが神の意志に沿うという意味である。こうした宗教的信念は、多くの米国人がイスラエルに対して感じているより広範な文化的親近感によってさらに強化されていると言ってよい。旧約聖書に語られるユダヤ民族の物語は、「開拓」・「国家建設」・「明白なる運命」といった米国の物語と共鳴しているのである。
その結果、一部の米国人たちはイスラエルの存続と繁栄を自分たちの宗教的アイデンティティと国家的使命の一部とみなしているのである。  

2.歴史的類似性とアイデンティティ
前述の宗教的基盤と同様に重要なのは米国人、特に初期の入植者や政治指導者たちがユダヤ人に対して表明してきた根深い歴史的共感と言う要因である。
米国の建国はしばしば聖書の中でのイスラエル人のエジプト脱出になぞらえられ、新大陸はある種の「約束の地」と見なされてきた。加えて、米国人たちは、自分たちが神の新しいイスラエルであるという考えに魅力を感じた。それは、ネイティブ・アメリカンを追放する事を正当化するのに役立ったからでもある。
1948年にイスラエルが建国された時、多くの米国人はそれを、イギリスによる植民地支配からの独立を目指した米国自身の戦いと同様に、祖国を求めるユダヤ民族の長い戦いの集大成であると考えたのである。パレスチナの大地を繁栄する国家へと変えていくというユダヤ人入植者たちの開拓者的な姿は、フロンティアの拡大と独立という米国の精神と深く共鳴した。事実、ウッドロー・ウィルソン大統領やハリー・トルーマン大統領の様な著名な米国人指導者たちは、シオニスト運動に対して個人的に深い共感を示し、イスラエル建国を積極的に支持し、また、20世紀前半には数多くの議会議員もまたシオニズム支持を表明していた。つまり、米国のイスラエル支援は、神によって独自の運命に召された国としての自分たちの地位を正当化する方法に他ならず、こうした文化的・歴史的同一性は、米国とイスラエルの関係をさらに強固なものにしたのである。 次回、№04に続く



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