スパルタ教育のできない昨今、今後の課題を問う Part-1

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建築設計事務所の若い新人所員に対する実務設計の教育に関し主宰する建築家の建築に対する考えや思想、デザインの考え方や捉え方、様々な技術的なノウハウとスキル等も含め、どうしたら若い新人所員へ繋ぐことが出来るのか、その指導方法等について、様々な問題と課題等があり、その方策等について悩んできました。言葉等で表現できない微妙なデザインの感覚、間の取り方、形への感性、理屈を超えたプロポーションの取り方、色使い、デザインポイント、色彩感覚、そして地域や景観に関するマッチングの方法々、一般社会常識との融合、等々、これらは学校の教科書や黒板では決して教わる事の出来ない、所謂、設計事務所独自の流儀であり企業フィロソフィ(philosophy)で在り、主宰する建築家と所員との長い時間をかけて創り上げたコラボレーションの結果でもあります。そして、それを勉強したいとする若い人達が居るとすれば、やはり実際の実務を通して教えていくしか方法は無いのかも知れません。只、実際の実務の中で教えるには契約工期の履行と言う大きな時間の制限枠内でしか教える事が出来ず、自ずとスパルタ式の教え方が中心となってしまいがちになってしまいます。併せて、昨今の『働き方改革』、そして『パワハラ』や『セクハラ』等の言葉が横行し、それらが社会現象化している中では時間がないからとの理由でスパルタ式の新人教育等は中々受け入れられない昨今………とても、とても難しい課題や問題であり、役所や学校等と違い企業側は利益前提の業務であるだけに、手取り足取り教える時間も無く、兎に角、若い新人の方から強く『教えて欲しい!』等の要望等が無い限り、とても難しい課題であり問題でもあるとみております。しかし、これらの事は、ある意味、昨今の学校義務教育の方針(例えば偏差値教育)等にも起因しているものと思っておりますし、それよりも、このままでは世界からもアジアからも、学力不足も含め、立ち遅れてしまうのでは、と強い危機感を感じており、これらは一設計事務所だけの問題にとどまらず日本全体の教育も含めた問題でもある様な気がしてなりません。


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