住まいの計画はPCではなく手で考えろ!

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私の視点・ものの捉え方・考え方ーPart-2 私自身の設計に対する考え方や捉え方の基本は、先ずはランドスケープデザインをベースに考えるべきであろう、と考えます。併せて、その建築のテーマやコンセプトも考えて行きます。勿論、これらのテーマやコンセプトは、建物だけを見る様な単眼的視点では捉えにくく、やはり、ランドスケープデザインと重ねながら考える複眼的視点で考えて行かないと簡単に出てこないと思います。つまり、これらのテーマやコンセプトが出来ないと中々、この先に進む事が厳しくなってきます。私の場合は、ここでの作業がある意味、最も重要な先付となり、言い換えると、この仕事の骨子となるからなのです。 翻って、私が今まで担当してきた様々なプロジェクトについて改めて振り返ると、我が国では、未だランドスケープデザインと言う言葉や考え方に対し、一部の建築設計者以外は聞き覚えが無かったと思います。故に、設計のテーマやコンセプトの捉え方については、敷地や場所性等から割り出した様々な内的・外的設計与条件の整理から始めていた様に思います、その後、私自身、大きなカルチャーショックを受ける事になったのです。丁度、昭和50年初頭、旧山形県庁舎の重文指定と共に新庁舎の建て替え工事が始まり、その竣工後、間もなく、ニューヨーク市にて都市計画を担当されていた磯部(ゆきひさ)先生が私共の事務所に来所されニューヨークでの都市計画等に関するお話を直接お聞きする機会に恵まれ、そこで初めて私は、耳慣れないランドスケープデザインと言う言葉とそれにまつわる様々なお話を具体的な事例と共にお聞きする事ができたのでした。そして、私自身、特に印象に残ったのが、完成したばかりの山形県庁舎を見ながら、磯部先生は『山形市内全域を大きな一つの住宅用敷地と仮定してごらんなさい、14階建ての新しい庁舎が山形市全域と言う敷地に対し、より東側、より南側の最も良い位置に配置し建設した事になります。しかし、これを住宅スケールに置き換え、住宅用敷地と見立てた時に、敷地の東南角地にドンと大きな住宅等を、建てるでしょうか? 一般的に東南角地には住宅は建てません、より日当たりや風通し等を考慮して、敷地のより北側、より西側に建てるのが一般的でしょう。よって、県庁舎の建て方はランドスケープデザイン的に大きなく間違っています』と言われ、その理由などを聞いて、私の頭から足のつま先まで、理屈抜きで納得した事を、今も事あるごとに思い出します。やはり、今までは客先から直接的な建築に対する考え方や要望などを聞き取り、整理し、と言う、所謂、敷地の中でしか物事を考えなかった手法に対し、これからは、敷地の外から俯瞰しながら敷地の中の建築も含め合わせながら考えて行くべきだ、と思い知ったのです。兎に角、ランドスケープ・アーキテクチャーというフィールドが確立しているアメリカでは、建築よりも先にランドスケープを検討します。対象となる場所の自然や人工物をお互いに引き立たせるための検討を終えてからでないと、そこにどんな建築物を建てるべきか分からないと言う考え方です。その様な事を念頭に置きながら、次回のPart-3では、テーマやコンセプトが決まってからの単体の建築物に対しての捉え方・考え方を書いてみたいと思います。以上です。

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