同一労働・同一賃金・一極都市集中の解決案に!
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同一労働、同一賃金
この概念は先の、安倍晋三内閣総理大臣が正規労働者と非正規労働者との賃金格差の問題を同一労働、同一賃金と称して問題発議した言葉で在ります。
つまり、同じ会社の中に於いて仕事の内容がほぼ同じであっても正規と非正規と言う雇用形態の違いだけで賃金に格差を付けるのは如何なものか、と言う事であります。
確かにその通りでありますが、しかし、国のトップが言うこの言葉は一見、正論であるけれど、さにあらず、実はこの国のトップを始め中枢の議員や官僚たちもが、同一労働、同一賃金と言う概念をよく理解していないのであります。
つまり、国が介入する例えば建設業における職人の人工手間が首都圏で働く職人と地方で働く職人に大きな単価の差があるのです。
正に首都圏と地方との格差で在ります。
私自身、建築設計に永く身を置いてきた立場で敢えて苦言を申し上げるならば、例えば鉄筋コンクリートの建物を建設する場合、鉄筋加工手間、コンクリート打設手間、型枠大工手間、左官手間、等々、多くの職種に渡り職人さんの人工手間が国交省によって、しかも地域別に単価が定められており設計事務所が作成する設計内訳書(工事見積書)には必ず国交省が定めた単価を使う事が義務付けられております。
他の建設工事以外の領域にも同じ様な仕組みがあるものと思いますが、いずれにしても職人さんの手間などは国が取り決めた単価として現在に至るまで運用されてきたのです。
ここまでは、今まで余り問題視されずにおりました。
しかし、ここから先、私自身、この問題を皆なで考えて頂きたいと思っているのです。
要するに、これらの国で定めた単価は全て首都圏を中心に金額が定められており、首都圏以外の、所謂、私達の住む地方の単価は、都市規模の大小によって少しずつ又、単価に差が設けられているのです。
具体的には、鉄筋加工手間、コンクリート打設手間、型枠大工手間、左官手間など殆どの職種に対して、私達の住む山形は、恐らく首都圏に比べ2割強前後、安い単価で仕事をしなければならないのです。
正に、正規、非正規ではないのですが、私達が生業としている建設業界に於いても同一労働に対して同一賃金の支払いはないのです。
地方の山形を含めた職人さんと首都圏の職人さんと比べて、地方の方が技量的に劣っている、と言うのでしょうか?
いや、そんなはずはありません。
地方の山形を含めた職人さんは全て国交省が制定した【建築工事共通仕様書】に基づいて仕事をしており、業務完成後の支払いも国、若しくは地方自治体の検査官が【建築工事共通仕様書】に基づいて検査を行い検査に合格しないと請求書が受け付けられない仕組みになっております。
つまり、首都圏であっても地方であっても【建築工事共通仕様書】に基づく仕事が基準とするならば、山形の職人も首都圏の職人も同じ仕事を行わなければならない、と言う事であります。しかし、賃金に以上の様な格差を設けているこの国のやり方こそ、おかしいのでは、と言う素朴な疑問が生じる由縁で在ります。これっておかしいと思いませんか?
そして、何故、人々は首都圏に集中するのか?
何故、地方だけが疲弊し地方分散が進まないのか?
答えは単純明快です。
それは、地方は賃金が安い、しかし教育費などの必要経費は首都圏並み、と言う事です。
よって、地方分散を進める為の大きな方策の一つとして、国で決めた人工手間は地域差を全て排除し一律に単価を統一すれば、地方(地域)、例えば生まれ故郷の山形で働いても東京並みの賃金が保証されるのであれば、敢えて、あのごみごみした都会で仕事をするよりも、身体にもいいかも、と東京から地方に人がUターンする等の、人が首都圏から地方に移動、分散する動きの輪が、大きく広がっていくものと考えます。
国会議員も途方の議員も経済的な物差しは脇に於いて少しは知恵と工夫する頭を使って頂きたい。
兎に角、昨今の国会議員は国を思う気持ちより金儲けばかりが先行し議員本来の仕事はしていない様に見受けられる。
例えば、除雪費用一つとっても、雪の多い年もあれば少ない年もある。
その様な自然を相手にする除雪費の単年度予算は、その仕組み自体を変えるべきであり、やはり懸命な予算の取り方は複数年度にすべきであろう。
そうすれば無駄な税金の使われ方も無くなるのであろう。
以上
令和6年6月16日
参考サイト:
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